授業でもっと会話練習を増やしたい!でも何を使ったらいいんだろう?
そんなお悩みをお持ちの先生におすすめの会話活動と、その導入方法を紹介します。
全体像としては、イラストをみながら段階を踏んでペアで会話をさせていく活動です。
- 最初はイラストとセリフをみながら
- 次はイラストのみ
- 最後は自分で考える
最終的には「ペラペラ話せている」が体感できるようで、学習者の達成感も大きい活動です。
準備物
教材の用意
今お使いの教科書と併用する形で、『つなぐにほんご』という教科書の会話練習部分(イラスト)を抜粋して使用します。
該当文型のイラストを探す
会話練習したい文型が『つなぐにほんご』の何課に入っているのかを探します。
その該当する課の以下の部分のイラストを準備します。
- モデル会話
- はなしましょう(できますか)
- はなしましょう(これもできますか)/じゆうにはなしましょう
導入方法
必要な文型を導入し、一通り口頭練習したあと、さらに会話練習を増やしたい!というステージでの導入を想定して紹介しています。
①ペアを作らせ、役割を決める
最初のコマをみながら、Aさん、Bさんなど、どちらの役をやるのか決めてもらいます。
最初は「ペアを作ってください。ペアで、右側に座っている人がAさん、左に座っている人がBさんになりましょう。」などと先生が決めてしまってもいいです。
3人登場人物がいるときなどは、一人二役やったり3人グループにするなどして工夫します。
②モデル会話の絵とセリフを提示
全体でコーラス
T: 「では、Aさんの人だけ、言ってください。」
Ss(A担当):「こんばん、飲みに行きませんか?」
T:「次、Bさんです」
Ss(B担当):「いいですね、どこに行きましょうか。」
これを場面ごとに繰り返します。コーラスしている段階で口が回ってなければ取り出し練習をするなどして、全体でしっかり言えるようにします。
ペアでモデル会話を練習
イラストとセリフを提示し、各自のパートを練習しながら覚えてもらいます。しばらくしたらセリフを隠すなどして、ここは暗記できるまでペアで何度も練習します。
セリフは全く同じでなくてもいいですが、新出の文型が入っているところは、それを使用してもらった方がいいでしょう。
③できますか?のイラストに移る
絵の確認
新しいイラストのどの部分が変わったのか、確認します。
T:「あれ、今度は?」
S:「からい。何かからいものが食べたいです。」
T:「そうですね。ここは....?」
S:「タイ料理。タイ料理にしましょう!」
T:「そうですね。」
ペアで練習
T:「じゃぁ、〇〇ペア、新しいイラストで、モデル(お手本)を見せてくれますか。」
②の会話練習でスムーズに行えていたペアを指名し、クラス全体に新しいイラストの会話例を披露してもらいます。(クラスのレベルによっては、そのままペアワークに移ってもらう)
それから、各ペアも各自練習に移ります。様子をみてストップをかけ、一度どこかのペアにもう一度この段階での出来を披露してもらってもいいでしょう。
④これもできますか?/じゆうにはなしましょうに移る
自分たちで作る
あとは自分たちでイラストをもとに新しい会話を作ってもらいます。しばらくしたら、他のペアに発表してもらい、出来を確認します。
時々「これもできますか?」のレベルが難しい場合があります。その場合は②と同様にキーワードを確認しながらでもいいですし、これをせずに自由に会話を作ってもらった方がいいでしょう。
このあたりになると流暢に話しているペアも見られるようになり、嬉しくなります。
セリフの調整
今回使用したイラストは「L13-1 わしょくはどうですか?」のものですが、クラスで勉強した文型に合わせてセリフを変えてあります。
セリフが既習事項と合わない場合などは、どんどん使いやすいように変更していいと思います。
絵の中のキーワードも変えてしまいました。
それから、イラストは4コマ設定になっているのですが、こちらも全て使用する必要はありません。4つのうち3つを使用するだけでもいいのです。
学習者の反応
楽しいようで、必死になって練習する学習者が多いです。また、ペアで会話練習をしたあと、続きを作って長々と会話をしているペアもありました。最終的に「話せてる!」という感覚になるようで、達成感があったとの感想も。
イラストを見ながらだと想像力が働き、頭の中で絵を描けるのがいいですね。
なんかうまくいかない?
中には、「あれ、なんだか全然うまく話せない」というペアもあるかもしれません。普段から「絵を見て会話をする」ということに慣れていないと、初回は難しく感じる人もいると思います。
一回で「すごい、うまくいった!」と思うクラスもあれば、「全然できない!」と思うクラスがあっても不思議ではありません。原因としては、活動がクラスに合わなかったり、使用文型がまだあいまいだったり、色々考えられると思います。だから、「できない!」と言って一回で辞めるのではなく、機会を見て何度か導入してみて様子をみるのも悪くないでしょう。
『つなぐにほんご』の中身がみてみたい!という方はこちらのサイトからどうぞ。