日本語授業では毎回のクラスで語彙を導入する時間がある人が多いのではないでしょうか。
または「語彙の授業」というものがあって50分全て語彙の導入や練習にあてなければいけないという先生もいるかもしれません。
語彙の授業って、何をしたらいいのかわからない..。.
語彙を教えたけれど、定着がいまいち...。.
そんな先生方のお役に立てるよう、いくつか語彙を教える際に有益となる情報をまとめてみました。
語彙の授業を教える際に役立つ書籍・教材情報もまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
初心者には
まず、新米の先生方で「語彙の授業って一体何をしたらいいのか、わからない!」という方は、『語彙授業の作り方』を読み込むことをおすすめします。
本書は語彙授業の基本的な作り方からシラバスや類義語の教え方など、内容たっぷりです。
語彙の導入方法(教材編)
初心者ではないけれど、不安が残る...という方は、語彙の導入にまず焦点をあててチェックしてみましょう。
語彙を導入する際、いくつか方法があります。
本項は『語彙授業の作り方』を参考にして解説していきます。
絵カードで導入する
分かりやすいイラスト絵カードを用いて、語彙導入をはかっていくやり方です。
「飲む」であれば、きちんと「飲む活動」に焦点が当てられているイラストを準備します。
写真素材を使って導入する
「おせち料理」「雛人形」「書道」など、イラストでは伝わりにくい言葉もあります。
そんな時は、イラストでやるよりも実物に近い写真を見せて導入することをおすすめします。
イラストと写真を上手に使い分けて使用してみてください。
イラストや写真素材のダウンロードには、イラストAC・写真ACがおすすめです。
1つのアカウントでイラストも写真素材もダウンロードできます。
レアリア(生教材)を使って導入する
ずっとイラストや写真による導入だけだと伝わりにくい場面もあります。
そんな時は、身近にあるものや生教材を使って説明するのもいいでしょう。
例えば、「雑誌」という言葉を導入するとします。
雑誌のイラストを用意しただけでは、「本」だと勘違いされてしまうこともあり得ます。
そんな状況を避けるためにも、実際に辞書、雑誌、絵本などを用意しておき、「雑誌」「辞書」「絵本」など区別して見せながら導入した方が分かりやすいでしょう。
語彙の導入方法(方法編)
導入に際して使用する教材だけではなく、方法にも注目してみましょう。
ジェスチャーで導入
例えば、「写真」という語彙がすでに入っていたら、写真を撮るジェスチャーをして「とります」を導入します。
写真を指差し、直後に「とります」のジェスチャーをしながら「写真をとります」と言います。
「飲みます」であれば、「水」のカードを用意し、「飲む」ジェスチャーをします。そして「水を飲みます」を導入します。
次に「水」を「ジュース」の絵カードに入れ替え、「ジュースを飲みます」と導入していくことができます。
対義語で導入
大きい/小さい、明るい/暗い、高い/低い、など対義語があるものはセットで導入するといいでしょう。
その時には、対比がわかりやすく提示されている教材を使用するようにしてください。
コロケーションで導入
『初級から学ぶ日本語コロケーション』を使用して導入していきます。
これはゼロ初級からでも使えますが、もう少し上の初中級以上の方がやりやすいかもしれません。
コロケーションの教材を用いた教え方が、こちらの記事で紹介されていますので、参考にしてみてください。
おすすめ語彙・単語練習ゲーム一覧
日本語教育の現場で使える語彙ゲームを集めました。教室の雰囲気や目的に合わせて、ぜひご活用ください。
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ささっと確認できる単語練習のアイデア
「ゲーム」とまではいきませんが、パパッと語彙を確認したい時、少し時間が余った時に導入できるような簡単な活動です。
30秒で言えるかな?
- 媒介語が使える場合ですが、スライドに覚えてほしい単語のリストを表示しておきます。
- ペアで一人が30秒をはかり、もう一人はリストの上から順番に日本語に変えていきます。
- 30秒で全て言えるようになるまで、練習を繰り返します。
語彙の授業で使える本・教材
語彙授業の作り方
語彙の授業をしなければいけないけど、どこから始めたらいいのかわからない!という先生に。
よくある先生のお悩みに冒頭から答えてくれます。
初級から学ぶ日本語コロケーション
語彙マップのように、中心となる語彙とそれに付随する語彙を図式化して、コロケーションで覚えます。
語彙ドン!
石澤 徹 (著), 岩下 真澄 (著), 伊志嶺 安博 (著), 桜木 ともみ (著), 松下 達彦 (著) 2018/6/7
独学用でも、中級以上の語彙クラスでも使えます。
段階的なステップを踏んで、単語の確認からディスカッションでその単語を使える段階にまで持っていくことができる教材ではないでしょうか。