昔話って、子供でもないし最近はそんなに身近なことではない、と思う方もいるかもしれませんが、実はふとした会話の中でメタファーとして使われることもあったりします。
また、せっかく日本語を勉強しているんですから、日本語学習者にも日本の昔話を知っておいてほしいところです。
今回は、「浦島太郎」の物語を教材例として使用し、「敬語の練習」として使える活動を紹介します。
【敬語で会話】物語の主人公にインタビューしてみよう
アクティビティの全体像としては、浦島太郎などの物語を読んできてもらい、内容理解を深めておきます。その後クラス内で、おじいさんになってしまった浦島太郎に、敬語でインタビューをする活動を導入します。
ペアになって行い、一人はインタビュアーとなり敬語で質問、もう一人がおじいさんになりきって答えるという設定です。
昔話のタイトルの例としては、おじいさんやおばあさんが出てくるものがいいので(ほとんど出てきますが)以下があげられます。
- 浦島太郎
- 舌切り雀
- 花咲爺さん
- おむすびころりん
- 笠地蔵
おじいさんとおばあさんが揃って出てくるものだと、二人にインタビューができるのでお得。
準備物
宿題として出すための昔話の読み物ワークシート
読み物は『たのしい読みもの55』に色々と初中級レベルで読める昔話が載っているので、おすすめです。
舌切り雀なら、こちらの多読教材にも載っています。初級レベルの読み物なので、読みやすいと思います。
こちらの教材についてもっと知りたい方はこちらから
導入手順
①読み物を読む
これはできれば宿題にしてくるのがおすすめです。読み物+内容質問を付けたワークシートを用意し、各自読んできてもらうといいと思います。
- 浦島太郎の仕事はなんですか?
- 海辺で何を見て、どうしましたか?
- 亀に連れられてどこにいきましたか?そこに何がありましたか?
- 太郎が家に帰る時、お姫様に何をもらいましたか?
- どうして家に帰ってびっくりしましたか?
- 箱を開けたら、どうなりましたか?
読解の練習にもなりますし、活動で使う語彙や表現を事前に学んできてもらうことで、効率よくアクティビティの実施ができます。
②クラスで導入
インタビュー活動に入る前に、内容質問の問題を確認したり、ストーリーのイラストを見せて説明させたりして、話の流れを確認します。
もし時間があれば、浦島太郎のコマになった物語のイラストを見ながら、各自口頭でストーリーを説明してもらうというストーリーテリングの活動を導入するといいでしょう。
ストーリーテリングの活動にあまり慣れていない場合は、事前準備として読んでくるワークシートにも同じコマのイラストを入れておき、話の流れの順番に番号をふってもらう問題を入れておきます。
浦島太郎のコマのイラストはこちらの教材に載っていますので、興味のある方はぜひ。
この教材についてもっと知りたい方はこちらから
③インタビュー活動に入る
まず、今回は物語の世界から出てきたおじいさんに、インタビューをしてみよう!という設定を伝えます。ちょっとした場面もイラストとして最初に提示すると、わかりやすいかもしれません。
「目上の人ですから、敬語を使いますね」ということも伝えておきましょう。
そして次のような順序で進めていくのはどうでしょうか。
- 一人ずつ、おじいさんに聞いてみたい質問をリストします。(一人5つ〜6つ)
- ペアで一人がインタビュアー役、もう一人がおじいさん役になって、お互いに質問しながら、質問の仕方や答え方を確認します。
- 後で発表するために、ペアで合わせて5つの質問を選んでもらいます。その質問を使ってインタビューの練習をし、発表に備えます。
④クラスで発表
それぞれのペアで準備ができたら、前に出てきてインタビューのロールプレイを見せてもらいます。先ほど2人のリストから選出した5つの質問を使って、一人がインタビュアー、もう一人がおじいさん役をします。
- 助けた日、おじいさんは海で何をしていらっしゃいましたか?
- 竜宮城では、どんなことをなさいましたか?
- 帰ってきてから、びっくりされましたね。どんなお気持ちでしたか?
- どうして箱を開けようとお思いになりましたか?
- もう一度お姫様に会えたら、どんなことをお話になりたいですか?
もし同じ設定のインタビューが出来上がることが懸念されるようであれば、物語を2つ〜3つ用意し、事前の準備作業でもグループ別に異なる読み教材を与えてもいいと思います。
その際にはコマを使ったストーリーテリングもグループごとに発表してもらうと、クラス全体で話の流れが共有された上での敬語インタビューに移れます。
まとめ
ロールプレイが終わったらこれでこの活動は終わりとなりますが、最後のまとめとして1番よかったグループに投票してもらったり、パフォーマンスのコメントを書いてもらったり、新しく学んだ表現や言葉を確認するなどして締め括ります。
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