て形の練習方法、いろいろあるとは思いますが、先生→学生のドリルだけではなく、学生同士のペアで練習させるのも時には有効だと思います。
【て形】タイムアタック4daysチャレンジ!
基本的にはドリルの練習ですが、ただ変換練習をするのではなく、時間を決めて「どれだけたくさん「て形」に変換できるか」を毎日記録していく教室活動です。
準備物
■既習の動詞(辞書形 orます形→て形の動詞)がたくさんリストされているプリント(人数分)
■て形のカードセットをペアの数
■チャレンジ記録用紙(人数分)
サンプルファイル (Word)
サンプルファイル (PDF)
実施方法
①ペアを作る
まず、学生をペアにして、チャレンジ記録用紙を一人一枚ずつ配布します。
このチャレンジの間は同じ学生と毎日ペアを組むことになるので、考慮が必要ながいる場合は、先生の方でペアを指定した方がいいかもしれません。
②て形カードを並べる
各学生にチャレンジ記録用紙を一枚ずつ配布した後、各ペアに1セットずつ「て形のカード」を配布して机の上に並べさせます。
③ やり方の説明
既習動詞の一覧表も配布しながら、やり方を説明します。
- A さんがリストをみながら辞書形 or ます形を1つ読み上げる。
- Bさんは、何も見ずに言われた単語を「て形」に変えて言う。
- この時、Bさんは同時に該当する「て形」接続のカードも指差す。
- A さんはあっているかどうかを伝え、リストにある次の動詞を読み上げる。①−④を繰り返す。
- Aさんは、Bさんが制限時間内にいくつ正確に「て形」に変換できたかを数えます。
AさんはBさんが間違えた単語もメモしておくように伝えます。
④ ドリルの実施
あとは、制限時間内にできるだけ多くの単語をて形に変換することを目標に、実施します。制限時間はクラスの様子を見て、先生にお任せします。
毎日の積み重ねでささっと練習できることを目標にする場合は、「1分以内!」などとすると活気が出て、ダラっとしないのでいいかもしれません。
⑤用紙に記録
AさんはBさんが正確に言えた数と、間違えた単語を伝えます。Bさんは自分の用紙に記録します。
例)A: 「B さんは今日は10こ、正確に言えたよ。間違えたのは、「ある」「かえる」だったよ。
⑥AとBが交代
ペアで役割を交代し、今度はBさんが単語を読み上げる役となります。
オンライン授業で行う場合は?
準備するものは、基本的に対面の時と変わらず、てフォームのリストと指差し用のカードです。ただし、フォーマットが違います。
オンライン用の準備物
■てフォームのリスト・・・あらかじめPDFで学習者に配布しておきます。
■指さし用のカード・・・以下のパワーポイントを各学生に配布しておきます。
■記録用カード・・・お使いのLMSに投稿して記録してもらうなどします。普段LMSを使っていないという方は、Padletで共有するという方法もあります。
オンラインでの実施方法
- ZoomやGoogle Meetなどのウェブ会議ツールで、ブレイクアウトルームを作ってペアに別れます。(資料は事前に配布しておきます)
- ペアの一人(Aさん)は、てformのカードが揃ったスライドを自分の画面に表示し、パートナーの相手と画面共有します。
- もう一人の方(Bさん)はて形のリストを読み上げます。
- スライドを表示している人(Aさん)は、言われた単語をて形に変換しながら、適切な変換のカードをクリックして色を変えます。
- リストを見ている人(Bさん)は、変換が正しいかどうかを確認します。
- 時間になったら教師はブレイクアウトルームを解除して、いくつ変換できたかを報告・記入してもらいます。
- もう一度ブレイクアウトルームに戻って、役割を交代して①-⑥を実施。
今回の指さしで使ったこのスライドを、他の授業にも応用してみたい!という方は、以下で作り方について読めます。(準備中)
また、その他のオンライン授業で使える活動案も以下のページで紹介しています。
次の章では、この活動を実施する際のポイントを紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。
ポイント
慣れるまでは口頭だけでも
最初やり方がわからなかったり、リストが速く読めなくてもたもたする人もいるかもしれません。
その場合はこのチャレンジを1週間(5回)続けるとして、最初の2回は「て形のカード」を指ささずに、口頭ドリルだけでやってもいいと思います。
そして慣れてきた3日目くらいに、「て形のカード」も指さしながらやると、慣れてきた頃なので、動作も機敏になり、あたふたしなくなると思います。
接続カードを使う理由とは
上記のように口頭ドリルだけでもいいのですが、そうすると実は間違って発音しているのにパートナーが気づかない場合があります。
例えば、「いって」が正解なのに「いて」だと思ってる場合もあります。そのため、表記でも確認ができるように、カードの使用を考えました。
パートナーの選び方
この活動の問題として懸念されるのは、学生同士で行うために、教師が全てをチェックできない点です。間違っていても、パートナーがそのまま気づかず見過ごしてしまう場合もあるかもしれません。
そのため、自由にパートナーを作らせてもいいのですが、比較的できる学生とできない学生とを組み合わせると、そういった心配は減らせます。
それから、チャレンジの間は同じパートナーでやり続けた方がいいでしょう。(7日間であれば7日間通して)というのも、リストを読み上げる速さが人によって違うので、毎回新しいパートナーだと、結果が大幅に違ったりします。
同じ人と一定期間続けて、キューを与えられるスピードは同じにしておいた方が上達の度合いが見られるはずです。
まとめ
ほとんど全ての学生が、4日間を通して数が上がっていくはずです。
毎日記録を取っていく中で、
- 「わ!すっごいアップしたね!」
- 「お、もう少しだったね!」
- 「昨日と同じか。下がらなかったのはすごい。明日もがんばろう!」
といった声かけを積極的にしていくとモチベーションのアップにも繋がるのではないかと思います。