このページでは、中級〜上級の日本語学習者向けに使える教材『めしあがれ-食文化で学ぶ上級日本語-』の使い方や活用アイディアを紹介しています。
このページでは第13章の教案や練習アイディアを紹介しています。
「まずはこの教科書についてよく知りたい」という方は、こちらから各章の構成や内容をまずご覧ください。
ウォームアップ
T: 「ラーメン、といえば最近は世界で有名になりましたね。」
S１：「はい、メインストリートにある○○が一番美味しいと思います。」
S2:「XXストリートにある△△も結構いいですよ。」
T：「そうですか。どんなメニューがあるんですか。」
S２：「とんこつラーメンとかSpicy Misoとか。」
T：「Spicy Miso、辛味噌ですか。」
S１：「はい、結構辛いですが、おいしいです。」
T：「そうですか。日本には油の多いこってりしたラーメンもありますが、あっさりしたラーメンもあります。さて、読んでみましょう。」
第１段落
単語の確認
事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。
意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。
『めしあがれ』第13章（第１段落）の宿題プリントをダウンロードする（準備中）
本文を読む
まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。
その後ペアになり、もう一度該当の段落を読みます。
次に絵を見せながら、この段落のトピックについて理解を深めます。
■さまざまな麺類
「麺」と言っても色々あります。さまざまな種類を見てみましょう。
- そば
- うどん
- そうめん
- ひやむぎ
- きしめん
- 中華麺(ラーメン・やきそばなど)
- マカロニ・スパゲティ
- ビーフン(ライスヌードル)
- 春雨
- 冷麺
余裕があれば、それぞれどの写真がどの麺料理なのか、キーワードを動かしながら確認してみましょう。
一口に「麺」と言っても、国ごとにいろいろな麺料理があることに気づくことができると、いいのではないでしょうか。
または、こちらのウェブサイトの写真を見ながら確認していくのもいいでしょう。
■さまざまなラーメンの種類
ラーメンにもいろいろな種類があるので、写真を見比べながら理解を深めます。
■上に載せる具材
上に載せる具材には、実にさまざまなものがあります。知っているもの、聞いたことがあるけど食べたことがないもの、チャレンジしたいものなど話し合ってみましょう。
文型（例文・練習）
〜と同じぐらい＋[程度]
- 東京は、＿＿＿＿＿と同じぐらい混んでいる。
- ＿＿＿＿は＿＿＿＿＿と同じぐらい背が高い。
- ＿＿＿＿は、＿＿＿＿＿と同じぐらい人気がある。
- 私は、父/母/兄/妹と同じぐらい＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。
- 私の州/街は、＿＿＿＿＿＿＿＿と同じぐらい＿＿＿＿＿＿＿＿。
＜解答例＞
- 東京は、ニューヨークと同じぐらい混んでいる。
- ウィル・スミスは、クリス・プラットと同じぐらい背が高い。
- 京都は、北海道と同じぐらい人気がある。
- 私は、母とおなじぐらい寝るのが早い。
- 私の州は、カンザスと同じぐらい何もない。
内容理解
- （ ）寿司の方がラーメンよりも世界的に人気がある。
- （ ）ラーメンというのは、トッピングの上に麺が載っている料理のことだ。
- （ ）ラーメンは中国の麺料理が発展したものである。
- （ ）中国では、日本のラーメンに違う名前をつけて呼び分けている。
＜解答例＞
- X・・・ラーメンも寿司と同じぐらい人気がある
- X・・・メンの上にトッピングが載っている。
- ○
- ○・・・日式拉麺と呼ばれている
アウトプット
いろいろなラーメンの中から、今まで自分が聞いたことがなかったようなユニークなラーメンを探して、それについて特徴を発表してください。
第2〜3段落
単語の確認
事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。
意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。
『めしあがれ』第13章（第２、３段落）の宿題プリントをダウンロードする（準備中）
本文を読む
まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。
その後ペアになり、もう一度該当の段落を読みます。
次に絵を見せながら、この段落のトピックについて理解を深めます。
第2段落
■かんすいとは
水の量によって麺の歯応えが変わってくること、かん水の有無で中華麺か他の麺かを区別することなど、簡単に触れるとよい。
第３段落
▪️来々軒のラーメン
当時のラーメン屋の様子や、今でも人気があるあっさり醤油ラー麺の写真などをみて、雰囲気を掴みます。
https://www.raumen.co.jp/shop/rairaiken.html
▪️ラーメンの歴史
インフォグラフィックを見ながら、ラーメンの歴史について簡単にたどってみましょう。
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2412/spe1_01.html
文型（例文・練習）
〜とか
- 休みの日には＿＿＿＿とか＿＿＿＿＿とかします。
- 昼ごはんは、たいてい＿＿＿とか＿＿＿を食べます。
- 私の国には、＿＿＿とか＿＿＿＿とか、色々観光地があります。
＜解答例＞
- 休みの日には、ゆっくりするとか、カフェに行くとかします。
- 昼ごはんは、たいていおにぎりとかからあげを食べます。
- 私の国には、NYとかLAとか、色々観光地があります。
内容理解
- ラーメンに使われている麺の名前はなんですか。
- 中華麺が黄色いのはどうしてですか。
- ラーメンの最初の記録には、どんなものが残っていますか。
- ラーメンという名前が付く前、どのような名前で呼ばれていましたか。
＜解答例＞
- 中華麺
- 「かん水」というアルカリ性の液体を加えると、苦麦粉に含まれるフラボノイド色素が反応するから。
- 明治時代に函館の「養和軒」という店が「南京そば」を出したのが最初の記録。
- 日本そばと区別するために「支那そば」「中華そば」という名前がついていた。
第４段落
単語の確認
事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。
意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。
『めしあがれ』第13章（第４段落）の宿題プリントをダウンロードする（準備中）
本文を読む
まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。
その後ペアになり、もう一度該当の段落を読みます。
次に絵を見せながら、この段落のトピックについて理解を深めます。
■主な麺の種類
作り方はそれぞれ細かな違いがありますが、おおまかな違いを示して「中国式拉麺」と日本の「ラーメン」との違いを意識するきっかけを作ります。
文型（例文・練習）
〜と同じで / 〜と違って
- この街は、5年前と違って、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。
- 私は姉/兄と同じで、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。
- 日本のカレーは、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。
- 日本のラーメンは、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。
- アメリカの寿司は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。
＜解答例＞
- この街は、５年前と違って寿司レストランが増えた。
- 私は姉と同じで、茶色い目をしている。
- 日本のカレーは、インドのカレーと違ってスパイスがあまり強くない。
- 日本のラーメンは、中国の拉麺と違って、ちぢれた麺を使う。
- アメリカの寿司は、日本と違って裏巻きが多い。
〜とは言えない
選択肢から言葉を選んで入れましょう。
- このスーパーは＿＿＿＿とは言えない。
- 彼の説明は＿＿＿＿とは言えない。
- 今年の売り上げは悪いが、＿＿＿＿＿とは言えない。
- 日本語がペラペラだが、＿＿＿＿とは言えない。
- 兄は優しいし仕事もできるが、＿＿＿＿＿＿とは言えない。
ネイティブ並み、十分、失敗、激安、完璧
＜解答例＞
- このスーパーは、激安とは言えない。
- 彼の説明は、完璧とは言えない。
- 今年の売り上げは悪いが、十分とは言えない。
- 日本語がペラペラだが、ネイティブ並みとは言えない。
- 兄は優しいし仕事もできるが、完璧とは言えない。
内容理解
- 中国語の「拉麺」には、どんな意味がありますか。
- 竹屋食堂の名前はどのように変化しましたか。
- 竹屋食堂の人気メニューは何でしたか。
- ラーメンの「ラー」はどこから来たと言われていますか。
＜解答例＞
- 「引っ張って作る麺」という意味があります。
- 中国人の料理人を迎えた後、「支那料理・竹屋」となりました。
- 日本のカレーは、インドのカレーと違ってスパイスがあまり強くない。
- 日本のラーメンは、中国の拉麺と違って、ちぢれた麺を使う。
- アメリカの寿司は、日本と違って裏巻きが多い。
アウトプットしてみよう
「ラーメン」の名前の語源には諸説あると言われています。教科書にある例以外に、他にどんな語源があるのか、調べて発表してみましょう。
第５〜６段落
単語の確認
事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。
意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。
『めしあがれ』第13章（第５、６段落）の宿題プリントをダウンロードする（準備中）
本文を読む
まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。
その後ペアになり、もう一度該当の段落を読みます。
次に絵や動画を見せながら、この段落のトピックについて理解を深めます。
■屋台のラーメンとは
ウェブサイトを流し読みし、屋台について学びます。
その後で、（ ）に当てはまる言葉を選んで入れて読んでみましょう。
公園、歩道、駐車場、コンパクト、設営
営業している場所は（ ）や（ ）で、昼間は何もなし。そこに17時過ぎから屋台の（ ）が始まります。昼間屋台がどこにあるかというと、（ ）にたたまれ、各店で契約をしている（ ）などに停められています。
▪️いろいろなカップラーメンの種類
日本には何百種類というカップラーメンがあります。一覧表を見て、食べてみたいと思うラーメンがあるかどうか、何かユニークな点があるかどうか、探してみましょう。
文型（例文・練習）
〜ていく（文作成）
例）教育現場/AI技術
今後、教育現場にもAI技術が広がっていくだろう。
- 地球温暖化／海面上昇
- 駅前の再開発／景色
- 勉強を続ける／日本語能力
- 企業文化/リモートワーク
＜解答例＞
- 地球温暖化により、今後海面が上昇していくだろう。
- 駅前の再開発が進んでいるので、景色が変わっていく。
- 勉強を続ければ、日本語能力が上がっていくだろう。
- 企業文化が変わり、リモートワークも可能になっていく。
〜の一途をたどる
キーワードから適切な言葉を選びましょう。
増加、上昇、減少、加速、高齢化
- 近年、日本の子供の数は＿＿＿＿＿の一途をたどっている。
- 若者のスマホ依存が＿＿＿＿の一途をたどっている。
- 世界の平均気温は、＿＿＿＿の一途をたどっている。
- この村は年配の人の数が増え、＿＿＿＿の一途をたどっている。
- Ai技術は、今後も＿＿＿＿の一途をたどるだろう。
＜解答例＞
- 近年、日本の子供の数は減少の一途をたどっている。
- 若者のスマホ依存が増加の一途をたどっている。
- 世界の平均気温は、上昇の一途をたどっている。
- この村は年配の人の数が増え、高齢化の一途をたどっている。
- AI技術は、今後も加速の一途をたどるだろう。
内容理解
- 屋台のラーメンは、何をきっかけにどのように広がっていきましたか。
- 第二次世界大戦後、ラーメン店の数はどうなりましたか。
- カップ麺と袋入りラーメンと、人気があったのはどちらの方ですか。
＜解答例＞
- 震災の復興をきっかけに屋台ラーメンが広がり、それが東京以外にも広まることで全国に広がっていった。
- 増加の一途を辿った。
- カップ麺の方。袋入りラーメンの売り上げを上回った。
アウトプットしてみよう
次の言葉の定義を、日本語で説明してみよう。
- 語源
- 諸説
- 有力
- 繁盛
時間に余裕があれば、実際の屋台の様子を動画で見てみるのもいいでしょう。
第７〜８段落
単語の確認
事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。
意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。
『めしあがれ』第13章（第７、８段落）の宿題プリントをダウンロードする（準備中）
本文を読む
まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。
その後ペアになり、もう一度該当の段落を読みます。
次に絵や動画を見せながら、この段落のトピックについて理解を深めます。
▪️あっさり vs こってり
第2章で「あっさり」「こってり」の違いを説明しましたが、もう一度ここで確認しておくのもいいでしょう。
文型（例文・練習）
〜さえ（も）
Doube Particleのルールに準ずる。
- ＿＿＿＿さえあれば、私は幸せだ。
- ＿＿＿＿さえよければ、日曜日はピクニックに行ける。
- ＿＿＿＿さえあれば、旅行に行きたい。
- ＿＿＿＿さえ言えない秘密がある。
＜解答例＞
- 愛さえあれば、私は幸せだ。
- 天気さえよければ、日曜日はピクニックに行ける。
- お金/時間さえあれば、旅行に行きたい。
- 友達/家族にさえ言えない秘密がある。
内容理解
- ラーメン博物館では、どんなことができますか。
- スープの味は、昔と今でどのように違いますか。
- あなたは太麺・細麺・ストレート麺・ちぢれ麺など、好みがありますか。
- 「つけ麺」「油そば」はどんなラーメンですか。
＜解答例＞
- 日本各地の人気ラーメン店の味を一度に試すことができる。
- 昔は醤油味、塩味、味噌味だけだったけど、最近はもっとバリエーションが増えている。
- （自分の意見）
- 「つけ麺」はスープをかけずに麺につけて食べる。「油そば」は油のたれを麺に混ぜて食べる。
アウトプットしてみよう
■ラーメンのことば
ラーメンの種類やトッピングを選んで、自分の好きなラーメンを完成させてみましょう。
ペアでお互いに注文を聞いて、その通りにラーメンを作るアクティビティにしてもいいと思います。
まとめ
内容理解
- ラーメンは専門店以外にも、どのように楽しむことができますか。
- 東京で初めてのラーメン店の名前は何でしたか。
- カップヌードルを作った会社はどこですか。
- 最近、どんな味のカップ麺が登場していますか。
自由会話
日本のラーメンは、昔ながらのラーメンもありますが、どんどん進化をしています。自分の国でも同じようなラーメンが食べられますか。自分の国のラーメン文化は、これからどのように変わっていくと思いますか。
レシピを見る・読む
第13章のレシピは「煮卵入りラーメン」です。
それから公式サイトにある動画を見たり、本書のレシピを読んで和食の作り方を学ぶことができます。
動画の使い方としては、
- ナレーションをアフレコさせる
- 大体の手順を後で日本語で説明できるようにメモをとらせる
- 途中の工程で独特なものがあれば、何のためにするのかを考えさせる
などがあります。
第13章だと、先生の方から次のような質問を促して考えてもらうこともできそうです。
- 卵を茹でた後、すぐに水につけるのはどうしてか。
- 「半熟卵」という名前を知っているか。
- 動画のラーメンの麺やスープの種類は、何だろうか。
『めしあがれ』のその他の章もご覧になりたい方は、下記リンクからどうぞ。
