自分の家族について説明する際の語彙や表現を学ぶ時、実は複雑な家庭環境で育ったためにあまり「家族について話したくない」という人もいます。
もちろん、家族のことが大好きで「みんなに知って欲しい!」という人もいると思います。
今回は、そんな事情に左右されずにできる活動を紹介します。
家系図を書いて説明してみよう|プライベートを晒さずにできる活動
全体的な流れとしては、家系図を描いてもらい、その情報をパートナーと話しながらシェアするという活動です。
家系図を描く際には、本当の自分の家族の図を再現してもいいですし、全く新しいものを作りあげてもいいとしておきます。
こうすることで、あまりプライベートを晒したくない...という学習者への対応も可能となります。
準備物
- 大きめの白紙を学習者分
- 教師が事前に描いたお手本用の家系図
- もう一度説明しながら描く用の白紙1枚
レベルによっては、家系図に名前以外の情報を足すことができます。
- 年齢
- 体の特徴(髪が長い等)
- 性格(やさしい)
- 勤めている場所
- 住んでいる場所
実施方法
- お手本を見せる
- 各自家系図を描く
- ペアの人に家系図を描写する→相手は聞き取って描く
- 交代
- 詳細について話す
①お手本を見せる
学習者をペアにし、1人一枚に紙を配布します。そしてまずは教師の用意した家系図を説明するので、聞き取って家系図を再現するように伝えます。
T:「今日は、Family treeを描いてみましょう。まず、私の家族について説明します。みなさんは、絵を描いてみてください。たとえば、私は、6人家族で、両親がいます。描いてください。」
説明しながら、実際に教師が白紙に描いているところを見せます。学習者も同じように書き始めたかどうか、確認しながら進めます。
T:「四人兄弟で、私は上から2番目です。」
また、学習者に見せながら書き足していきます。同じように描いていない人がいたら、促します。
T:「わかりましたか。私が話しますから、よく聞いてfamily treeを描いてくださいね。」
ここからは、教師は書き足しているのを見せないようにします。あとは学習者のみで書き足していってもらいます。
T:「兄が1人と妹が2人います。兄は25歳です。下から2番目の妹は18歳です。一番下の妹は16歳です。あ、それから父は54歳、母は55歳です。どうですか。わかりましたか。」
そうしたら、事前に用意しておいた教師の家系図(完成版)を見せて、同じかどうかを確認してもらいます。
T:「じゃぁ、今度は皆さんも家系図を描いてみましょう。本当の家族のことでもいいです。新しいものを作ってもいいですよ。」
②各自家系図を描く
先ほど配布してお手本を描いてもらった紙の裏側を使います。この時、紙を半分に折って、上半分に自分の家系図を描くように伝えてください。下半分は空けておきます。もし可能なら、新しい紙をあげても問題ありません。それから、お互いに描いているものを見せないようにすることも伝えておきます。
凝り性な人は非常に凝ったものを作る可能性もあるので、アクティビティ実施前に「3分ぐらいで描いてくださいね」と予め時間設定をしておくと、いいと思います。
③ペアの人に家系図を描写する→相手は聞き取って描く
3分ほど時間を与えて家系図が描けた様子なら、あとは先ほど教師が行ったように、1人が家系図を描写し、もう1人が紙の下部分に聞き取ったものを描きます。
説明している人は、相手が描いている最中のものを見ずに説明し続ける、描き終わってから確認するのが理想ですが、この辺はそれほど厳しくしなくてもいいと思います。
描き終わったと思ったら、お互いの家系図を見せて、同じように描けているかどうかを確認します。
④交代
交代し、②〜③を繰り返します。
⑤時間があれば詳細について話す
もし早く終わったペアがいれば、兄弟について質問をしてみましょう、として会話をしてもらうといいと思います。
- 「何をするのが好きですか。」
- 「どんな人ですか。」
- 「今、どこに住んでいますか?」
など。