日本の子供たちがよくやる手遊び(ゲーム)に、「あっちむいてホイ」というのがあります。
今回はそのゲームを授業に応用してみよう!というものです。
「右、上、下、左」といった位置詞を使うので、その練習にも使うことができます。
導入のコツから手順まで、詳しく解説していきます。
導入方法
言葉の確認
T: 方向(direction)の言葉を勉強しましたね。上、下、右、左、...他には?
S:隣、横、間、近く...。
T:いいですね。今日は「上、下、右、左」の4つを使って、少しゲームをしましょう。
T:このゲームは、日本で有名です。まず、ことばをチェックしましょう。
上、下、右、左の方向を指差しながら、単語の確認。
T:↑(指差す)
S:上(言う)
T:↓(指差す)
S:下(言う)
T:→(指差す)
S:右(言う)
T:←(指差す)
S:左(言う)
ルールの説明
T:このアクティビティは、ペアでします。(近くの人とペアになるように指示)
もし媒介語が使えるようであれば、媒介語で説明します。直接法の場合は、やさしい日本語で説明します。
以下は、日本語で簡単に説明する際のセリフです。
- ペアになります。
- Aさん(ペアの一人)は、「3、2、1、上!」と言います。
- Bさん(もう一人)は、3、2、1、↓」とアクションします。
- Aさん「上!」Bさん「↓」同じじゃありません。Bさん1ポイントです。
- Aさん「上!」Bさん「↑」同じです。Aさん1ポイントです。
ここまで説明すると、分かるクラスはわかるんですが、分からないクラスは「???」というリアクションだと思います。
その場合は下のイラストを見せながら上記の説明をすると、少し伝わりやすいと思います。
それでもルールが伝わらない時は、先生と学生1人でお手本を見せた方が早く伝わるはずです。
お手本を見せる
T:S1さん、来てください。(前に出てきてもらう)
T:先生は3、2、1、「上!」と日本語を言います。S1さんは(指で4方向を指しながら)ジェスチャーしてください。
S1:はい、わかりました。
T:3、2、1、「下!」
S1:(下をさす)
T:あ、同じです。先生は+1ポイントです。
何回か続けて、どのような仕組みでポイントが増えていくのかを示します。
ここまでくると、学習者もルールがわかってゲームに取り組めるはずです。
あとはペアになって、
- 5回中どちらの方が多くポイントがもらえたか
- どちらの方が早く5ポイントに辿り着いたか
- 2分でどちらがより多くポイントを稼げるか
などのルールを1つ設けて実践させます。
応用してみる
基本的な「あっちむいてホイ」ということで、ペア同士でさせるだけでも十分楽しい活動になりますが、応用編として以下のようなバリエーションをつけることができます。
他の位置詞でレベルアップ!
よくできるチームには、「上、右、左、下」ではなく「前、後、近く、中」などそれぞれのジェスチャーを決めておいて違う言葉で練習することもできます。
ペア交代制
- 歩き回って、パートナーを変えながら「あっちむいてほい」をしていくパターンもあります。
- 一人の人と3回勝負で対決。
- 3回終わったら、また別の人とパートナーになり3回勝負を行う。
- 自分で全部で何回勝ったのかを数えておく。
- 最後にクラス内で一番たくさん勝った人が優勝!
まとめ
日本では普通に知られている「あっちむいてホイ」ですが、それを日本語教育に応用しようとすると、結構学習者へのやり方説明が難しいこともあります。
そんなこともあり、今回は導入手順を詳しく説明してみました。
位置詞の練習だけではなく、国際交流でのイベントで使えるゲームの1つとしてもおすすめです。