「〜の方が〜より」という比較の文型を練習する際に、ちょっと手を動かせるアクティビティを紹介します。
簡単にささっと終わってしまうチームもあれば、意外と時間がかかるチームもあって興味深いです。
記事の後半では、同様のアクティビティをオンライン授業で行う方法について解説しています。
Canvaのテンプレートもダウンロードできますので、ぜひ最後までご覧ください。
対面クラスで導入
準備物
上のような商品の値段のリストと、それぞれの商品絵カードを用意します。
下記から2パターンのWordファイルまたはPDFファイルがダウンロードできるので、ご自由にお使いください。
■パターン1:フルーツや野菜
■パターン2:飲み物や肉・魚
商品絵カードの方(値段が書いていないもの)は切り取って、それぞれバラバラにしておいてください。
クラスをペアにして使用するので、クラス人数の半分にあたる枚数をコピーしておけば大丈夫です。
導入方法
①クラスをペアに分ける
ペアに分けたのち、各ペアに1セットずつリストと絵カードをわたします。
この時、1人がリストを持ち、そのリストは相手に見せないように指示しておいてください。ペアのもう1人は絵カードのみを持ちます。
②並べ替えを指示する
絵カードを持っている人は、それぞれの商品がどんな順番なのかを質問しながら並べ替えます。
バナナとりんごと、どちらの方が安いですか?
リストを持った人は、自ら説明せず、答えることのみできます。
バナナの方が安いです。
質問と答えを繰り返しながら、カードを最終的にリストと同じ順番に並べることが目的です。
オンライン授業に導入する
オンライン授業にこの活動を導入する方法は、『オンライン授業で使える日本語活動集90』に掲載されています。
準備物
■Canvaのテンプレート
食品や飲み物がバラバラになったCanvaのテンプレートが、以下からコピーできます。
■お手本となるイラスト
パートナーAさん用
パートナーBさん用
実施方法
- 先生は事前にテンプレートをダウンロードし、クラス用にスライドを複製するなどして準備しておいてください。
- 二人1組みのペアになり、AさんはCanvaを開きます。
- Bさんは、お手本となるイラストを見ます。(LMSにアップロードしたり、画像をQRコードにするなどして、配布ができます)
- Aさんは「コーヒーと水と、どちらの方が高いですか?」と質問をしてどの品物が一番高いのかを聞きながら、アイテムを高い順に並び替えていきます。
- 全部できた!と思ったらBさんと一緒に、お手本通りに順番になっているかどうかを確認します。
- 合っていたらもう1つのお手本を使って、役割交代です。
応用してみよう
場面をつける
今回は果物のカードで並べ替えをしました。もちろんその活動のみでもささっと文型を言う練習にはなると思いますが、そこに少しシチュエーションを足すことで、どんな状況を意識してやればいいのかを明確にすることができます。
例えば、今回の果物のケースでいえば、以下のようなシチュエーションをつけてみます。
あなたは、スーパーでアルバイトをしています。店長から果物を値段の安い順に棚に並べるように言われました。もう一人のアルバイトと協力して、棚に並べましょう。
(実際によくよく考えると、リストを見せてしまえば簡単なのに...となりますが😅)
発展させてみる
その他、シチュエーションとしては例えばパーティの会場の写真をいくつか用意しておき、レンタル料を比べさせる設定なども使えるでしょう。
その時、それぞれのパーティ会場の特徴も一緒に書いておき、値段別に並べた後に一番いい会場を選んでもらうのも手です。
あなたはパーティ会場を探しています。友達はいろいろな会場のパンフレットを持っていますから、値段を聞いて順番に並べてみましょう。そして、一番いい会場を最後に選びましょう。
そうすると、値段順に並べるだけではなく最終的に「どうしてこの会場を選ぶのか」を伝える練習もできます。
A会場は高いけど、きれいなのでA会場にします。
この「相手から情報を得る必要がある状況」を作り出す必要性は、『日本語教師のためのアクティブ・ラーニング』にも書かれています。ぜひ。
その他、オンライン授業で使えるアクティビティのリストはこちらから。
関連文型の活動もこちらからご覧になれます。