このページでは、中級〜上級の日本語学習者向けに使える教材『めしあがれ-食文化で学ぶ上級日本語-』の使い方や活用アイディアを紹介しています。
尚、公開しているアイディアはMikke!独自のもので、くろしお出版さん公式のものではありません。
このページでは第4章の教案や練習アイディアを紹介しています。
「まずはこの教科書についてよく知りたい」という方は、こちらから各章の構成や内容をまずご覧ください。
ウォームアップ
T:「第4章のタイトルはなんですか。」
S:「寿司です!!」
T:「そうですね。みなさん好きですか。よく食べますか。」
S:「大好きです。よく食べに行きます。」
T:「どんなお寿司を食べますか。」
S:「握り?こんな形の。(手で形を作りながら)」
T:「握り寿司ですね。お寿司には、握り寿司以外にも色々な種類があります。知っていますか。」
S:「う〜ん、巻き寿司?」
T:「はい、巻き寿司もありますよ。第4章には色々なお寿司が出てきます。読んでいきましょう。」
第1〜2段落
単語の確認
事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。
意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。
『めしあがれ』第4章(第1〜2段落)の宿題プリントをダウンロードする(準備中)
本文を読む
まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。
その後ペアになり、もう一度第一段落を読みます。
次に絵を見せながら、宿題で出てきた言葉をいくつかスライド(下記参照)で確認します。
■寿司/鮨/鮓、それぞれ何が違うの?
鮓・・・中国から来た一番古い書き方。熟鮓(なれずし)、鮒鮓(ふなずし)など発酵された寿司に使われていた。
鮨・・・「握り鮨」「押し鮨」など発酵と関連していないものを指すことが多いが、徐々に「鮓」と混同して使われるようになっていった。
寿司・・・江戸時代に「すし」の当て字として使われるように。「寿(ことぶき)」を「司る(つかさどる)」ことで演技がいい食べ物とされた。
出典:https://jpnculture.net/sushi-chigai/
■鮨が作り出された順番を説明してみよう
学習者は下のイラストを見ながら、寿司が作られた順番を本文の言葉を使って、解説します。
<解説例>
魚に塩と米を足して、数ヶ月間漬け込んで、発酵させます。そして米を洗い流して魚だけ食べます。
文型(例文・練習)
〜だけでなく〜が/も(1段落目)
- 一般的に発酵食品と言っても、___のように匂いが強いものだけでなく___のように匂いが強くないものもある。
- Seaweedというと、____だけでなく_____も指す。
- 和食といえば、____だけでなく____も人気がある。
回答例
- 納豆/ヨーグルト
- 海苔だけでなく昆布も指す
- 寿司だけでなくラーメンも人気がある。
第3〜5段落
単語の確認
事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。
意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。
『めしあがれ』第4章(第3段落)の宿題プリントをダウンロードする(準備中)
本文を読む
まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。
その後ペアになり、もう一度第一段落を読みます。
次に絵を見せながら、宿題で出てきた言葉をいくつかスライド(下記参照)で確認します。
■郷土料理ってどんなもの?
ウェブサイトを見ながら、気になる郷土料理についていくつか読んでみる
文型(例文・練習)
〜にあたるものです
- 日本の主食は米で、アメリカで言うと____にあたります。
- 夏川さんは私の母の弟なので、私の_____にあたります。
- Thank youという単語は、日本語の_____にあたります。
<回答例>
- パン
- おじさん
- ありがとう
〜代わりに(5段落目)
- いつもは母が料理を作るが、今日は忙しいようなので__________。
- パンを食べる時バターがなかったので、_________。
- 日曜日は用事ができて行けなくなってしまった。その代わり、______。
<回答例>
- 母の代わりに自分が料理を作った。
- ジャムをつけて食べた。
- 月曜日の夜に行くことにした。
アウトプットしてみよう
自分の国の料理で、「保存食」と呼ばれるものには、どんなものがありますか。調べて発表してみましょう。
第6段落
単語の確認
事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。
意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。
『めしあがれ』第4章(第6段落)の宿題プリントをダウンロードする(準備中)
本文を読む
まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。
その後ペアになり、もう一度第1段落を読みます。
次に絵を見せながら、宿題で出てきた言葉をいくつかスライド(下記参照)で確認します。
握り鮨の屋台
こちらのサイトで写真素材を用いて詳しく説明されています。学習者さんと一緒に写真を見ながら、寿司の変遷を追ってみましょう。
屋台で出された食べ物
文中に出てくる「煮はまぐり、煮アナゴ、マグロ漬け、コハダ」が写真のどれにあたるのかを考えてもらいます。
文型(例文・練習)
〜みたいな感じ(6段落目)
- お好み焼きは、__________みたいな感じです。
- 東京は、人口密度が高くて________みたいな感じです。
- 私の街は、_____から、_______みたいな感じです。
<回答例>
- 野菜のパンケーキ
- ニューヨーク
- コーヒーがよく知られている大きい街だから、シアトルみたいな感じです
アウトプットしてみよう
時間を経て形が変わっていった食べ物がありますか。どんなふうに変わっていったのか、変遷を説明してみましょう。
第7〜8段落
単語の確認
事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。
意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。
『めしあがれ』第4章(第7〜8段落)の宿題プリントをダウンロードする(準備中)
本文を読む
まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。
その後ペアになり、もう一度第一段落を読みます。
次に絵を見せながら、宿題で出てきた言葉をいくつかスライド(下記参照)で確認します。
■多様化した回転寿司
いろいろな回転寿司屋のウェブサイトを見てみる。
文型(例文・練習)
〜ことが可能になる
- エジソンが電球を発明したことにより、_____ことが可能になった。
- 電車や飛行機が一般的になり、_______ことが可能になった。
- 家電製品の発達により、______ことが可能になった。
<回答例>
- いつでも部屋を明るくする
- 遠くまで旅行する
- 時間を節約する
〜理由の一つに〜がある
- アマゾンがここまで大きな会社に成長した理由の一つに______があると思います。
- 私が日本語を勉強し始めた理由の一つは、_____です。
<回答例>
- パンデミックの影響
- 高校生の時の留学
〜Vなどして
- テスト前には、___________などしていい成績を取る努力をしました。
- 日本に行った時、_________などして楽しみました。
<回答例>
- 友達と勉強したり、フラッシュカードを作る
- 京都や東京に行っておいしいものを食べる
内容理解を深める
■取ったお皿の枚数で値段を計算するというのは、どういうことでしょうか。
100円、150円、300円という3種類の値段設定になっているスシロー
■最近は色々な回転寿司のメニューがあります。みてみましょう。
アウトプットしてみよう
- あなただったら、回転寿司にどんなメニューがあったら嬉しいですか。
第9段落
単語の確認
事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。
意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。
『めしあがれ』第4章(第9段落)の宿題プリントをダウンロードする(準備中)
本文を読む
まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。
その後ペアになり、もう一度第一段落を読みます。
色々な種類のお寿司
Liveworksheetsのワークシートを使って、それぞれの絵が表す寿司の名前を、クリックしてみましょう。(画像クリックでファイルのページに飛びます)
文型(例文・練習)
〜だけに留まらず
- _____の人気は、国内に留まらず海外にまで広がった。
- _____は____に留まらず____まで販売している。
- 物の修理が得意な弟は、_____に留まらず_____まで直してくれた。
<解答例>
- K-POP
- くら寿司は、お寿司に留まらずキャラクターグッズやドリルまで販売している。
- ドアの取手に留まらず、冷蔵庫まで直してくれた。
Nounとして
- 寿司は、_______としてよく知られている。
- 私の弟は、_____として働いている。
- スマホは、電話としてだけでなく、_____としても使える。
<解答例>
- 伝統的な和食
- シェフ
- カメラや地図
アウトプットしてみよう
世界中でSushiと呼ばれているものは、どんな特徴がありますか。自分の国にもSushiと呼ばれているものがありますか。調べて発表してみましょう。
まとめ
もう一度本文を読む
本文を段落に分けずに、もう一度最初から最後まで通しで読み返します。
読み返す時には
- つぶやき読みをする
- 黙読をする
などの方法で行うことができます。
内容確認
- 「すし」の言葉の語源はなんですか。
- 日本の「寿司」の始まりはなんだと考えられていますか。
- 「箱寿司」「押し寿司」はどんな料理ですか。
- 関東で始まった寿司が全国的に知られるようになった理由の1つはなんですか。
<回答例>
- 「酸っぱいご飯」という意味の「すし飯」です。
- 「なれずし」と呼ばれる保存食としてのすしだと言われています。
- 塩漬けにした魚をご飯と一緒に箱に入れて押すタイプの寿司です。
- 関東大震災をきっかけに、東京の寿司屋で働いていた職人たちが故郷に帰ることで全国に散らばったことが理由だと考えられています。
自由会話
- 自分の国で寿司屋さんに行くと、お寿司以外にどんな料理が一緒に出てきますか。
- 他にどんなメニューが一緒に載っていますか。
レシピを見る・読む
第4章のレシピは「サーモンちらし寿司」です。
それから公式サイトにある動画を見たり、本書のレシピを読んで和食の作り方を学ぶことができます。
動画の使い方としては、
- ナレーションをアフレコさせる
- 大体の手順を後で日本語で説明できるようにメモをとらせる
- 途中の工程で独特なものがあれば、何のためにするのかを考えさせる
などがあります。
第4章だと、先生の方から次のような質問を促して考えてもらうこともできそうです。
- 「ごはんを混ぜる時、どんな混ぜ方をしていますか。」
- 「うちわであおいでいるのは、どうしてでしょうか。」
- 「ゆでた野菜を水に入れるのはどうしてですか。」
第3章では卵焼きの作り方を見ましたが、第4章では錦糸卵を作っています。「錦糸卵」という名前も紹介するのもいいですね。
『めしあがれ』のその他の章もご覧になりたい方は、下記リンクからどうぞ。