このページでは、中級〜上級の日本語学習者向けに使える教材『めしあがれ-食文化で学ぶ上級日本語-』の使い方や活用アイディアを紹介しています。
尚、公開しているアイディアはMikke!独自のもので、くろしお出版さん公式のものではありません。
このページでは第9章の教案や練習アイディアを紹介しています。
「まずはこの教科書についてよく知りたい」という方は、こちらから各章の構成や内容をまずご覧ください。
ウォームアップ
T: 「みなさんは、お昼ご飯、どうしていますか。」
S1:「たいてい家から食べ物を持ってきます。」
S2:「私は、コンビニで買っちゃいます。」
T:「そうですか。私はよくお弁当を持ってきます。お弁当って、どんなものか知っていますか。」
S2:「はい、コンビニでよくお弁当をみます。」
T:「そうですね。コンビニベンチウもよく食べられますし、あとは家で作るお弁当もいいですよ。」
S1:「キャラ弁とかですか?」
T:「お、聞いたことがありますか。そうです。この課ではいろいろなお弁当が紹介されています。早速読んでいきましょう。」
第1〜2段落
単語の確認
事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。
意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。
『めしあがれ』第9章(第1〜2段落)の宿題プリントをダウンロードする(準備中)
本文を読む
まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。
その後ペアになり、もう一度第一段落を読みます。
次に絵を見せながら、この段落のトピックについて理解を深めます。
■幕の内弁当
「幕の内弁当」は汁物が少なく、
- ご飯(俵形・上に胡麻)の上に梅干
- 焼き魚
- 卵焼き
- かまぼこ
- 煮物
- 漬物
が主に入っているお弁当です。Geniallyで作ったスライドにカーソルを合わせながら、簡単にそれぞれの名前を確認するといいでしょう。
geniallyスライド上の右下にあるボタンを押すと、次のスライドに移動できます。
■運動会
「運動会」というコンセプトがわからない学習者もいるので、
- だいたいどんな競技があるのか
- 1日がかりで行うことが多く、合間に家族や友達とお弁当を食べること
などを共有する。
■遠足
下記のようなイラストをもとに
- 遠足はどんなところに行くのか
- 何でいくのか(バス内でゲームをすることも)
- 何を持っていくのか
- どうしてどんぐり?(遠足は秋が多い)
などを学習者から「何だと思う?」を引き出しながら、遠足についても紹介する。
文型(例文・練習)
〜によっては
- 人によっては、1日2食しか食べない人もいる。
- 国によっては、___________。
- 地域によっては、_________。
- 親によっては、__________。
- 学校によっては、_________。
<解答例>
- 人によっては、1日2食しか食べない人もいる。
- 国によっては、天然資源が非常に少ないところもある。
- 地域によっては、家のドアの鍵を閉めなくても大丈夫だというところもあります。
- 学校によっては、制服を着なくても良いところもあります。
内容理解
- お弁当の起源を簡単に説明してください。
- 「幕の内弁当」はどうしてこの名前がつけられましたか。
- 日本で、どの学年で給食が出ますか、出ませんか。
第3〜5段落
第3・4段落
■キャラ弁とは
キャラ弁の写真をいくつか見せて紹介する。
文型(例文・練習)
〜ものです(感慨)
あなたの思い出を話してください。
例文)子どものころ、兄とよくケンカした。 → 子供のころは、兄とよくケンカしたものです。
- 子供のころは、_______ものです。
- (自分の) 国では、_______ものです。
- 日本に来たころは、 _______ものです。
- お金がないときは、_______ものです。
- 暇なときは、_______ものです。
第5段落
■お弁当の材質
お弁当箱と一口にいっても、さまざまなタイプがあることを紹介します。
■曲げわっぱの作り方
中でも伝統的な曲げわっぱの作り方を、動画を見て学びます。
動画の一部を一緒に見て、残りは学習者とリンクを共有しておき、各自で見てもらうようにすることができます。
アウトプットしてみよう
あなたならどんな弁当箱を選びますか。どうしてですか。
- 色々なお弁当箱の種類をもう一度見て、自分が一番良いと思うもの、自分尾ライフスタイルに合ったものを選んで簡単に発表します。
第6〜8段落
■駅弁や空弁
駅弁を食べたことがあるか、駅に寄ってそれぞれ違う駅弁があることなどに簡単に触れる。
■車内販売
電車の中でも、ワゴン車が回ってくるので飲み物や食べ物を注文できることに触れる。
■駅弁ランキング
ランキングを見ながら
- どんな種類の駅弁があるか
- それぞれの特徴は何か(メインに使われている食べ物が何かわかるか)
などを簡単に見ていく。
文型(例文・練習)
〜ことが幸いして(文作成)
意味:悪いことが結果的によい影響を及ぼして、〜。
- その日は寝坊したことが幸いして、大きい電車の事故に巻き込まれずにすんだ。
- コンピュータが壊れたことが幸いし、_______。
- 道で転んだことが幸いし、_______。
〜ごしに(マッチング練習)
窓越しに:through window
- カーテン越しに、・ ・外の景色を眺めた。
- メガネ越しだったが、・ ・となりの家の様子を伺った。
- 垣根越しに・ ・彼女に元気がないのがわかった。
- 電話越しに聞こえた声から、・ ・先生が泣いているのがわかった。
〜ことで(文作成)
〜ことが理由となって
- 足を怪我したことで、大会への出場ができなくなってしまった。
- ______________、学校に行かなくてもよくなった。
- ______________、先輩にビクビクしなくなった。
- 自由に作成
内容理解
- ( )1970年ごろは、お弁当の販売員が電車の中に入ってお弁当を売っていた。
- ( )昔の電車は、窓が開けられる設計になっていた。
- ( )ホームで駅弁を売る人が少なくなったのは、各駅での停車時間が短くなったことも影響している。
- ( )現在も、駅弁を箱に入れて体の前に持って売り歩く販売員が車内にいる。
- ( )ワゴンはその沿線の名物の駅弁に乗せられている。
第9段落
■地元の旬食材を使った季節限定の駅弁
季節の駅弁写真を見ながら、どんなところが「春らしい」のかを一緒に見ていく。
ふたを開けると、折箱のなかには、“春”が広がっていました。メインのたけのこごはんは、見た目はもちろん、上品な味付け。おかずにも、さわら(鰆)の柚庵焼きや山菜のこごみが入って春らしさを感じさせてくれます。もちろん、自慢の江戸うま煮をはじめ、デザートの桜餅も入って、春旅のお供にはぴったりの存在。
春の季節駅弁
お弁当を温める仕組み
生石灰と水が化学反応した時に起こる発熱作用を利用して、温まる仕組み。
図解を見せながら、再度どんな仕組みが使われているのかを理解する。
参照:加熱式弁当のしくみ
まとめ
内容理解
- お弁当の始まりを簡単に説明してください。
- 「幕の内弁当」は、どうしてそのような名前がついていますか。
- キャラ弁の長所と短所はなんでしょうか。
- 駅弁の今と昔で、購入方法はどのように変わりましたか。
自由会話
日本の駅弁は、自動で暖かくなる工夫がされています。コンビニや駅で帰る食べ物で「こんなことが可能になったらいいのに」と思うことがありますか。
レシピを見る・読む
第9章のレシピは「おにぎり」です。
それから公式サイトにある動画を見たり、本書のレシピを読んで和食の作り方を学ぶことができます。
動画の使い方としては、
- ナレーションをアフレコさせる
- 大体の手順を後で日本語で説明できるようにメモをとらせる
- 途中の工程で独特なものがあれば、何のためにするのかを考えさせる
などがあります。
第9章だと、先生の方から次のような質問を促して考えてもらうこともできそうです。
- 最初に手を水で濡らすのはなぜか。
- それぞれの具材が何かわかるか。
- 色々な形があるが、自分ならどの形が一番いいと思うか。
『めしあがれ』のその他の章もご覧になりたい方は、下記リンクからどうぞ。