このページでは、『にほんごで働く ビジネス日本語30時間』を使って日本語を教える際の教案を公開しています。
なお、公開している教案は本書公式のものではなく、Mikke!独自のものとなります。
『にほんごで働く ビジネス日本語30時間』の中身を少し見てみたい!という方は、書籍紹介ページへ行ってみて下さい。本書の詳細を見ることができます。
ウォームアップ
学習者にこの課のトピックである「注意をする・注意をうける」について会話をしながら意識をさせていく。
- これまで誰かに「注意をした」ことはありますか。どんな場面でしたか。
- 逆に「注意をされた」ことはありますか。どんな内容でしたか。
- 会社やビジネスシーンで、注意をしたりされたりする場合、どんな内容が考えられますか。
クイズ
タクシーとエレベーター内で座る位置、立ち位置を確認するクイズです。
①位置を説明する言葉を確認しておく
まずはA〜Dの位置の言い方を日本語で何と言うのか、確認してから作業に入りましょう。
T:まずはそれぞれの言い方を確認しましょう。タクシーの「A」は、「運転手の横」でしいですね。BとCは?
S:Bは「運転手の後ろ」で、Cが「Bの隣」ですか?
T:それも伝わりますが、運転手を基準にした方がいいですね。Bは「真後ろ」Cは「斜め後ろ」という言葉が使えます。
S:Bは「運転手の真後ろ」、Cは「運転手の斜め後ろ」ですね。
②クイズ1)と2)を行う
エレベーターの場合も、A〜Dはどのような言葉を使って説明したらいいのか、考えてもらいましょう。
左奥、右奥、左手前、右手前、対角線上といった言葉が使えます。
③答えを図と一緒に確認する
教科書の問題を答え合わせをするだけでなく、さらにタクシーで後ろが3人になった場はどうする?と考えてもらいます。
エレベーターで、ボタン(操作盤)が1つの場合は、操作盤の前が下座となり操作することが求められます。
エレベーターで操作盤が2つある場合は、下座の位置が変わってくるので、これも簡単に導入しておくといいでしょう。(①が上座で一番高い、④が一番下)
④補足情報
その他、タクシーやエレベーターではどんなマナーがあるのか、立ち位置以外にも気を付けるべきことを確認しておきます。
■タクシー
支払いや道案内は?
→基本的に、支払いや道案内は下座である助手席に座った人が行う。行き先も事前に名前や場所、連絡先を確認しておいた方がよい。
■エレベーター
エレベーターに乗る順番は?
→ 「先乗り、後降り」という言葉があります。部下は先に乗って、どびらを開くボタンを押します。降りるときは開くボタンを押し、上司やお客さんが降りるのを待ちます。確認してから、自分も降ります。
■その他の場面
会議室に入る場面でも、席順は大事です。図を見せながら確認するといいでしょう。
表現
- 表現を1つずつ確認し、それぞれの例文を音読。
- 学習者のシチュエーションに当てはめて(適宜言葉を変更して)練習。
- 少し練習が必要だと思われるものは、以下のようなスライドを用いて練習。
下の人が上の人に言うと、失礼あたる表現もあります。その辺りも伝えながら導入していってください。
〜方がいいですよ
宴会や公共の場でのタブーをイラストを元に探すアクティビティが『イラスト満載!日本語教師のための活動アイディアブック』Unit 9 「日常のマナー」で紹介されているので、そちらを活用した練習ができます。
<練習例>
(学習者は上の人で、下の人に注意をする設定)
- あぐらをかかない方がいいですよ。
- 食べ物を食べながら話さない方がいいですよ。
〜ようなんですが
練習
学習者はスライドの中のキャラクターであり、相手に苦情を言う時の表現を練習する。
<解答例>
- 送っていただいたレポートの内容に不備があるようなんですが。。
- 新製品C-0645は耐久テストに合格したとありますが、不良が見られるようです/でして...。
- 納品間違いがあり、部品A-106が3箱欠品状態のようですが。
- 新製品見積もりの件でメールをいたしましたが、まだお返事をいただいていないようです。
学習者のレベルによっては「不備」「耐久」「欠品」「不良」など難しいと感じる語彙があるかもしれません。読み方や意味を確認し、理解した上で練習してください。
練習
ことば(練習1〜練習3)
発音やアクセントに気をつけながら音読する。
- 評判・・・評判が「いい/悪い」。コロケーションを確認しておく。
- 無駄/出費・・・「無駄な出費を減らす」とセットで使われることも多い。
練習1〜練習3
教科書の問題を穴埋めしていく。
穴埋めだけで終わらず、その後会話形式でスムーズに言えるまで読み合わせること。
「3. 〜ば」は、T-Sで会話形式にしてもよい。
会話例
T: どうすれば、見やすくなると思いますか。
S:このグラフを真ん中に持って来れば、見やすくなると思いますよ。
T:そうですね。
単語小テストで確認
それぞれの単語の定義が書いてあるので、該当する単語を書く問題です。
(小テストはただいま準備中)
談話
ことば(p.54)
- 談話1〜4の単語をアクセントに気をつけながら音読。
- 意味のわからないものは確認。
- 意味の取りにくいものは例文で紹介。
- 地味・・・反対語の「派手」も確認。
- 婉曲的・・・反対の「直接的」「露骨」なども確認しておく。
談話練習(p.57)
- モデル音声を聴く。
- ペアやT-Sで代入練習。
- 自分のシチュエーションに当たる言葉でも代入練習をして新規に会話。
会話のキーワードを見るのみで、あとは覚えて会話練習。相手の目を見ながら会話ができるようになるまで繰り返し練習すること。
代入練習は、代入するだけだとさらっと終わってしまいがち。自分の頭で考えて口に出せるようになるまで何度も繰り返し練習することがポイントです。
単語小テストで確認
漢字・単語小テストで確認する。
下線部の漢字は読み方を答え、穴埋めには単語を入れます。
(単語小テストは準備中)
会話
ことば(p.54)
会話1〜3のことばを音読して確認する。
会話(p.59-60)
- モデル音声を聴く
- ペアで読んで練習
- イラストをだけを見て同様の会話ができるようになるまで練習
単語・小テストで確認
会話に出てくる単語を取り扱った小テストです。
(準備中)
ロールプレイ
シチュエーションを読み、ペアで会話内容を作成しロールプレイ。教科書を見なくてもスムーズに会話ができるまで練習します。
- 開始前に役割を決め、AさんBさんではなく、実際に使われそうな名前を決めておきます。
会話を録音して、あとでもう一度聴きながら訂正していくのも良い方法だと思います。
ビジネスコラム
最後にビジネスコラムを読んで、レベルに応じた確認をします。
初級レベル
初級レベルでこの本を使用している場合は、内容理解の質問を入れるといいかもしれません。
- ビジネスのホウレンソウが表すものはなんですか。
- 「報告・連絡・相談」をする時に大切なことはなんですか。
- 5Wと3Hは何を表していますか。
<解答例>
- 報告、連絡、相談です。
- 5W3Hを考えて伝えることが大切です。
- When, Where, Who, What, WhyとHow, How much, How manyを表しています。
中級以上
このビジネスマナーについて、意見交換。
- 他に、仕事をスムーズに進めるために大切なことはどんなことだと思いますか。
- 5W3Hのように、普段人に伝える時に気を付けていることがありますか。
意外と普段の自分の話し方を客観視するきっかけになって、良いかもしれません。
他の課の教案もご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。