今回は、ChatGPTで日本語の授業で使える教材作成をし、それをclasskickを使って授業に導入する方法を紹介します。
全体像として
- ChatGPTでアクティビティ用の問題作成をする
- 作ったアクティビティをclasskickを用いて授業に導入する
という流れをとります。
今回行うアクティビティは「◯◯と言えば!?」という連想ゲームをベースとした活動です。
では、まずアクティビティの概要から解説していきます。
◯◯と言えば!? 活動の概要
グループで行うこともできますが、今回は個人活動にする方法を紹介します。
① 1つのトピックを提示し、そこからキーワードを考える
- 教師は1つのトピックを選び、学習者に伝えます。(例:夏の日)
- 学習者はそのトピックから連想されるキーワードを10個、相談してリストアップします。
トピック例:夏の日
キーワード例:海、日焼け、ビーチ、水着、かき氷、花火、プール、バーベキュー、サングラス、風鈴
② 読み物を読む
教師は事前に同じトピック(例:夏の日)で短い読み物を準備しておきます。学習者はそれを読みます。
暑い夏の日、太陽が輝いていました。子供たちは学校が休みで、外で遊ぶことにしました。公園に行くと、プールが開いていてみんなが楽しそうに水遊びをしていました。
水しぶきがはねる中、友達と一緒に滑り台で遊んだり、ボールを投げたりしました。夏の風が心地よく吹き、笑顔が広がりました。
お昼ご飯の時間になると、家族でピクニックをしました。お母さんが美味しいお弁当を用意してくれました。みんなで広い芝生の上で食べると、おいしいご飯の味がさらに格別でした。
午後になると、みんなで川や海に行くことにしました。水着を着て、波打ち際で砂浜で遊びました。砂浜で砂のお城を作ったり、貝殻を集めたりしました。
夕方になると、夕日がきれいに沈んでいきました。家族みんなで夕焼けを眺めながら、アイスクリームを食べました。甘くて冷たいアイスクリームが夏の疲れを癒してくれました。
夏の日は暑いけれど、水遊びやピクニック、海での思い出作りなど、楽しいことがたくさんあります。夏ならではの活動で、思い出に残る素敵な時間を過ごしましょう。
③ 連想したキーワードを文章から探す
教師から提示された文章を読み、その中に自分がリストアップした単語がいくつ入っているかを探します。
この時、classkickのマーカー機能を使って、単語を示します。
1つのキーワードにつき1点など点数をつけるルールにすると、この後クラスで「だいたい何点取れた?」という話ができます。
話し合い&まとめ
最後に、グループで少し話し合う時間を設けることをおすすめします。
- 「自分たちのリストには入っていなかったけど、この単語もトピックと合っているなぁ」と思う単語について話し合ったり
- 「日本の夏の日は、こんな感じなのか。自国の夏の日をトピックにするともう少し違った単語が使われるだろう。」
といったことについてグループで話し合い、活動終了とします。
準備物
ChatGPTで読み物教材を作成する
まずはChatGPTを使って読み物の教材を作成します。
プロンプトは「タイトル」「読み物」「文章の長さ」「レベル」を入れると良さそうです。
【プロンプト①】
「夏の日」というタイトルで5文程度の短い読み物を作ってください。ただし、CEFR C2 レベルの日本語でお願いします。
【ChatGPTの回答①】
灼熱の夏の日、太陽が眩しく輝いていました。夏休みの子供たちは自由な時間を満喫するため、外へと飛び出しました。公園に着くと、プールが開放され、人々が水遊びに熱中していました。
友人たちと共にプールへ飛び込み、水の中で楽しさを共有しました。快適な水温と爽やかな水しぶきに包まれながら、私たちは笑顔で楽しむことができました。
水遊びの後は、広大な芝生の上でピクニックを楽しみました。家族がおいしいお弁当を用意してくれ、おしゃべりしながらお腹を満たしました。
午後になると、海や川へと向かいました。水着に身を包み、水辺で遊んだり泳いだりしました。太陽の光を浴びながら、潮風が心地よく吹き抜け、爽快なひと時を過ごしました。
夕暮れになると、美しい夕日が空一面に広がりました。家族全員で夕焼けを眺めながら、幸せな時間を共有しました。夏の日の幕引きを感じながら、家路につきました。
あっという間に読み物教材が作成できてしまいました!
もう少し文章のレベルを初級向けにしてみます。
【プロンプト②】「夏の日」というタイトルで5文程度の短い読み物を作ってください。ただし、CEFR A2 レベルの日本語でお願いします。
【ChatGPTの回答②】
夏の日はとても暑いです。空には太陽が輝いています。子供たちは夏休みで、外で遊ぶことにしました。公園に行くと、プールがあります。みんなは水遊びを楽しんでいます。
友達と一緒にプールに入り、水の中で遊びました。水しぶきがはねると、とても気持ちがいいです。みんなで笑顔で楽しみました。
プールで遊んだ後は、みんなでお弁当を食べました。お母さんがおいしいお弁当を作ってくれました。みんなで広い芝生の上で食べると、お腹が満たされました。
午後になると、海や川に行くことにしました。水着を着て、水辺で遊びました。太陽の光と風を感じながら、楽しい時間を過ごしました。
夕方になると、夕日が美しく沈んでいきました。家族みんなで夕焼けを見ながら、幸せな気持ちで過ごしました。夏の日の終わりを感じながら、家に帰りました。
実際にA2レベルかどうかと言われると、それにしては難しいと感じる人もいるかと思いますが、それでも2つ目の文章の方がやさしくなっているのがわかります。
このようにChatGPTで読み物教材を作ったら、今度はclasskickに読み物を載せます。
classkick(クラスキック)に教材を用意する
ChatGPTで作った読み物を、classkickに載せます。
テキストとして直接打ち込んでもいいですが、文章を画像化して背景として挿入しておくと、読み物が固定できて便利です。
実施方法
作成した教材を授業に導入する方法を紹介します。
対面では紙とマーカーを使えば簡単に導入ができます。
ここでは、
- オンライン授業で本活動を導入したい時 または
- 一人一台のデバイスを持っている学習環境 または
- 家で行うオンライン課題として宿題を出したい場合
を想定してclasskickというツールを使った実施方法について説明します。
キーワードを考える
まずは、教師から与えられたトピックから連想されるキーワードを10個リストアップします。
例:
日差し、暑い、プール、水遊び、海、砂浜、太陽、サングラス、花火、ビーチバレー
キーワードがリストアップできたところで、学習者は教師が用意したclasskickに入ります。
マーカーの機能を使って、自分がリストアップしたキーワードと同じものがいくつあるか探します。
更に発展させ、
- 全く同じではないが、自分のキーワードと近いもの
- 自分がリストアップしたキーワードにはなかったが、その他トピックに関連した言葉
- この活動で初めて見た言葉
などにもマーカーをひき、視覚化します。
グループで話し合い
マークが終わったら、グループまたはクラス全体で
- 予想したキーワードと読み物内のキーワード、いくつ重なっていたか。
- 絶対文章中にあると思ったのに、なかった言葉はあったか。
- 今日初めて見たから、意味や読み方を調べたい単語はどれか。
など楽しく話しながら、活動のまとめとします。
まとめ
以上、ChatGPTを使って読み物教材を使い、それをclasskickと一緒に授業で使う方法を解説しました。
授業で少し時間が余った時や、語彙を増やしたい時などに試してみてください。
なお、本記事で説明したclasskickの使い方は、第13回 教師のためのEdTech体験会というZoomワークショップで使い方を学ぶことができます。
- 基礎から使い方を一緒に試したい方は「入門編」
- 発展した機能を使ったり、学習者目線での使用も試してみたい方は「初〜中級編」
がおすすめです。
両方の部に続けて参加することが可能です!
classkickの使い方を一緒に試しながら、質問が生じた場合はその場で質問して解決することができるので
一人で触ってみるよりも効率よく必要な機能を体験することができます。
授業の幅を広げたい!という方、ぜひご参加ください。