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まちがい探しで説明能力を身につけよう

まちがい探しといえば、2つのイラストを比べて違う点を見つけるというクイズです。

これが実は、言語教育クラスでよいアクティビティになります

まずは、なぜまちがい探しがよいアクティビティになるのか、解説をしていきます。

間違い探しが言語活動によい理由

2つの絵の中から違いを見つけて「こことここが違う!」とイラストを指さすだけであれば、それは単なる遊びになってしまいます。

しかし、その違いを「第2言語で説明する」となると、意外と難しく感じられるものです。

試しに、英語を勉強中の方は以下のイラストの違いを英語で説明できるかどうか、やってみてください。

  • 女の子が本ではなくておにぎりを持っている。
  • 上の写真では男の人の口が閉じているが、下の絵では開いている。

この辺までは簡単かもしれません。ですが次第に....

  • おじいさんのセーターの柄が角じゃなくて銀になってる。
  • 対戦している左側の人の持ち駒が5枚じゃなくて4枚になっている。

と、だんだん説明が難しい箇所も出てきます。

「柄って何ていうんだ?」「持ち駒は?駒って何て言えばいいのかな?」「対戦ってmatchでいいの?」

頭の中では違いがわかっていても、適切な語彙選択をして相手にわかるように説明するというのは、訓練が必要な活動です。

次の章では、まちがい探しを授業に導入する方法と、使える教材をいくつか紹介します。

ぜひ最後までご覧ください。

まちがい探しを授業に導入する方法

いきなり間違い探しをしよう!と導入するのも楽しそうでいいのですが、

  • 新規語彙の習得
  • 説明力・表現力を高める

といった点を意識して導入する方法を紹介します。

設定は複数の学生がいるクラス環境での導入を想定していますが、プライベートやオンラインレッスンへの応用も可能です。

①絵を表示する

まずは教師が、間違い探しの絵をスライドでもプリントでもよいので、提示します。

この時、絵を見せた瞬間に「本が!右と左で違う!」という声が学習者から上がることもあるかもしれませんが、あくまでも最初は「静かに一人で」考えてもらいたいことを伝えます。

このとき、「間違いが全部でいくつあるのか」を最初に伝えておくことも重要です。

②言葉を調べる

学習者の言語能力に適切な素材を選ぶと、「ここまでは言えるけど、この単語がわからない...説明できない...」という状況に陥る人がほとんどだと思います。

ここで、「辞書を使って、言いたい言葉を調べてみましょう」という指示を出します。

この時、「他の学生や先生に聞いてもOK」というルールにしておくのもいいでしょう。

そうすることで、「なるほど、あぐらをかく、という言葉があるのか...」と新規単語の習得につながります。

③文にして説明する準備をする

言葉を調べたら、今度は文で説明できるように練習します。

この時も個々で考える時間にしてもよいですし、ここからグループで相談する協働活動にしてもよいでしょう。

教師は見回りながら、よりよい言い方を提案したり疑問に答えてあげるなどします。

例)

S1:「あぐらをかいている人は、口をあけますね。」

S2:「下の絵で、あぐらをかいている人は、口をあけます。上の絵であけません。」

T:「「口をあけます」より「口があいています」の方がいいですよ。」

④発表する

違いを文で説明する準備ができたら、クラス全体で文をリストアップし、説明の仕方を確認します。

リストアップする時には文法や単語を訂正するのはもちろん、「よりよい言い方」の提示も忘れずにしてあげるとよいのではないでしょうか。

例)

S:「男の人のコマが1つ少ないです。」

T:「そうですね。男の人はたくさんいますから、もう少し詳しく言ってみましょうか。」

S:「青いスーツを着た男の人のコマが1つ少ないです」

全体でリストアップが終わったら、最後にもう1ステップです。

最後にペアになり、先ほどリストアップした言い方を使って、もう一度自分で1つずつ説明する練習をします。

ここでクラスの最初には知らなかった単語を使って一から説明ができると、達成感も感じることができるのではないでしょうか。

この時、メモや板書を見ないで最初から説明できると一番よいと思いますが、初めてこの活動を導入する際には無理をせず行きましょう。

活動のまとめ

最後に、本日間違い探しの活動で新しく自分が学んだ単語をワークシートに書いてもらったり、改めて間違いを5つ文章で書いて説明してもらうなどの活動を取り入れて終了としてもいいでしょう。

間違い探しに使える教材

上記では間違い探しを授業に活用する方法の1つを紹介しました。

間違い探しを授業に導入してみたいけど、教材ってどこから入手すればいいの?

そんな方のために、以下に「間違い探しのイラスト」が載っているサイトや本をご紹介します。

まちがい探しといえばサイゼリヤ

間違い探しのイラストといえばサイゼリヤ!というぐらい、最近では有名ですね。

サイゼのウェブサイトに行くと、親切にもイラストを公開してくださっています!

サイゼリヤの間違い探しを見る

このウェブサイトを参考にさせていただくのもいいアイディアではないでしょうか。

*使用の際は「利用上の注意」をお読みになり、ご自身の判断にてお願いいたします。

ACイラストにもたくさんある!

イラスト素材としてダウンロードしたい!という方は、ACイラストに登録するという方法もあります。

ウェブサイトで「間違い探し」と検索すると、様々なイラストが出てきます。

ACイラストからダウンロードできる素材は商用利用もOKなので、ご興味のある方は月1000円の有料プランに申し込むのもおすすめです。

ベクターデータのイラスト素材なら【イラストAC】ダウンロードし放題のプレミアム会員登録はこちら

有料プランにすると、一日のダウンロード回数に制限がなくなり、とても便利です。

書籍を利用しよう

デジタル素材だけではなく、市販の書籍にも間違い探しの教材があります。

日本語教育のものでは『ロジカルトレーニング』にいくつか間違い探しのイラストが収録されています。

こちらもぜひチェックしてみてください。

自作教材を作る

上記で紹介したイラストACの画像とブッククリエイターを使って、まちがい探しのオンライン教材を作ってみました。

オンライン教材はこちらから

このような本はBook Creator(ブッククリエイター)というツールを使うと、簡単に作成することができます。

使い方はこちらのページで紹介しています。

オンラインの本になっていると、どこからでもアクセスができるので楽ですね!

以上、まちがい探しを授業に導入する方法と、教材として使える素材を紹介しました。

素材によっては上級クラスでもよい練習になるものもあると思います。

ぜひご活用ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!