概要
「〜てください」というリクエストフォームを練習するためのアクティビティです。
よくある教室活動はジェスチャーゲームだと思いますが、ここではそれにひとアレンジ加えたものを紹介します。
クラス環境
ひとクラス5人などの小クラスでもできますし、40人などの大規模クラスでも可能だと思います。
私自身は20人規模の初級クラスで実施、ひとグループ4人で行いました。
準備物
基本的に必要なもの
ジェスチャーのキューとなる読み上げカード
普通の印刷用紙にコピーするだけだと、裏が透けて見えてしまうので裏紙を貼って対応しました。
この時、ちょっと和柄の折り紙を貼ってみました。こういうささやかなものでも「わ、かわいい😆」って喜んでもらえたりするのが素敵。
必要となる枚数
グループワークになるので、グループの数だけカードセットが必要となります。
グループ内の人数はだいたい1グループ3〜5人くらいがおすすめです。
もし全部で5人程度の小クラスでしたら、クラス全体を1つのグループにすればよいので、カードセットは1つ準備すればいいです。
もし40人などの大きいクラスでしたら、1グループ5人ぐらいにして、カードは8セット用意すればよいですね。
実施方法
①グループ別に輪を作って立つ
② カードは山にして、伏せて真ん中に置く
③ 最初の人がカードを取り、読み上げる
④ ジェスチャーをする
⑤ 一番ジェスチャーが早かった人 or 上手だった人にカードをあげる
①グループ別に輪を作って立つ
各グループ全員輪を作って立ちます。
ジェスチャーゲームということで動きが生じるので、立った方がいいです。
② カードは山にして、伏せて真ん中に置く
キューの内容が見えないように、裏にして真ん中に山を作って置いておきます。
山にせずに、かるたのように広げてるチームもありましたが、キューの内容が見えなければそれもよいでしょう。
③ 最初の人がカードを取り、読みあげる
最初の人が一枚山からカードを取ります。そして声に出して読み上げます。
読めない漢字や未習語彙が入っていると難しいので、その点はルビをふったり語彙を選択するなど、注意をした方がいいです。
④ ジェスチャーをする
カードを取った人が読み上げるので、それ以外のグループメンバーはジェスチャーをします。
例) カードをとった人「メールを書いてください」
グループメンバー全員:各自思い思いの「メールを書く」ジェスチャーをする。
⑤ 一番ジェスチャーが早かった人 or 上手だった人にカードをあげる
カードをとった人が審判となり、
- 一番ジェスチャーが早かった人
- ジェスチャーが上手だった人
どちらかを選んで、読み上げたカードをその人にあげます。
⑥次の人がカードをとり、同様に読み上げる
あとは同じことを順番に繰り返します。
次の人がカードを取って読み上げ、他の人が同様にジェスチャーをします。
⑦一番カードを多くもらえた人が勝ち
一通り山のカードがなくなったら、各自何枚カードをもらえたか、数えます。
一番カードの枚数が多かった人が勝者です。
ちょっとアレンジ
最後でささっと全体と確認する目的も兼ねて、王者決定戦もいいでしょう。
- 各グループで1番になった人のみに立ってもらい(残りの学生は座る)、各グループのベストで同様にゲームをして競う。
- 最後にクラスの中で1位を決める。
審査は座っている学生たち。だれがベストアクターか、選んでもらいます。何か景品などがあってもいいですが、なくても十分楽しんでくれるはずです。
ポイント
判断基準をどうするか
読み上げたカードを渡す相手の選択基準として、以下のどちらかに当てはまった人にカードをあげると上記で述べました。
- ジェスチャーが早かった人
- 演技がよかった人
判断基準を2つ用意しなくてももいいのですが、それだとだいたい毎回カードをもらえる人が決まってくる。(だいたい早い人が全て取ってしまう)
なので、両方入れてあげると、理解が遅い人でもがんばってジェスチャーをすればカードをもらえるチャンスがあります。
でもクラスの雰囲気等によってもいろいろ差が出てくると思いますので、このあたりは試してみるしかないと思います。
盛り上がりすぎに注意
クラスの雰囲気などにもよると思いますが、時々盛り上がりすぎて本来の目的が疎かになってしまうこともあるかもしれません💦
さんざんジェスチャーゲームをやっておいて「で、いつこの文型使うんですか」なんてことにもなりかねません。
そうならないために、ゲームの開始前・終了後に一度全体で確認するなど、目的意識を明確にすることも大切ですね。
導入してみた感想
ジェスチャーゲームって結構子供っぽくて、子供の外国語教育なんかではもってこいだと思います。
でも、留学生クラスとか、大学生なんかは嫌がるかなぁと思うのですがこれが意外と盛り上がる。あとは学生の新たな魅力を発見できるという点があると思います。
- 普段すっごくまじめでクールな学生が、意外や意外、ジェスチャーをものすごく本気でやってくれたり。
- あまり出来がよくなくってクラスの隅の方に座っている学生が、「寝てください」というリクエストで本当に床に寝るなどのダイナミックな演技をしてくれたり。
言語教育を通してその人の新たな魅力を発見できるのって、いいですよね。
なので、「大人なんだから、ジェスチャーゲームなんてくだらな〜い」と思う方もいるかもしれませんが、そういう意味ではたまに取り入れてみるのも悪くないかもしれません😁