めしあがれ(上級日本語)

【教案】『めしあがれ-食文化で学ぶ上級日本語-』第8章

このページでは、中級〜上級の日本語学習者向けに使える教材『めしあがれ-食文化で学ぶ上級日本語-』の使い方や活用アイディアを紹介しています。

尚、公開しているアイディアはMikke!独自のもので、くろしお出版さん公式のものではありません。

本教案は段落ごとに導入手順を示してあります。授業時間数に応じて、1時間に1〜2段落を導入したり、学習者さんが知っている文型は飛ばすなどして調整をしてください。

くろしお出版
2021/5/21
畑佐一味 (著), 福留奈美 (著)

このページでは第8章の教案や練習アイディアを紹介しています。

「まずはこの教科書についてよく知りたい」という方は、こちらから各章の構成や内容をまずご覧ください。

ウォームアップ

T:「第8章のタイトルはなんですか。」

S:「和食の麺です。」

T:「そうですね。みなさんはうどんやそばを食べたことがありますか。」

S1:「はい、うどんを食べたことがあります。」

T:「S1さんが食べたうどんは、どんな具材(トッピング)がのっていましたか。」

S1:「天ぷらがのっていました。」

T:「では、天ぷらうどんを食べたんですね。いいですね。」

S1:「他にも種類があるんですか。」

T:「はい、実はいろいろな種類のうどんやそばがありますよ。読んでいきましょう。」

第1〜2段落

単語の確認

事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。

意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。

『めしあがれ』第8章(第1〜2段落)の宿題プリントをダウンロードする(準備中)

本文を読む

まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。

その後ペアになり、もう一度第一段落を読みます。

次に絵を見せながら、宿題で出てきた言葉をいくつかスライド(下記参照)で確認します。

■いろいろな麺料理

世界各国の麺類のイラストを見せ、以下を確認。

  • それぞれの料理の名前を知っているか。
  • 他の国の麺類も知っているか。

■石臼ができるまで

石垣、石工、石臼がどんなものかを確認する。

上記イラストは「石垣」「石工」を表すものですが、右側のイラストは「石工」よりも「庭師」に近いかもしれません。よりよいイラストがあれば、そちらの使用をおすすめします。

文型(例文・練習)

〜といえば (第1段落)

  1. クリスマスといえば、思い浮かべるのは____や____だ。
  2. 夏といえば、やっぱり_____や_____でしょう!
  3. 好きな和食といえば、_______かなぁ。

<回答例>

  1. クリスマスといえば、思うかべるのは大きいツリーやプレゼントだ。
  2. 夏といえば、やっぱり海やBBQでしょう!
  3. 好きな和食といえば、お寿司かなぁ。

〜でもある/〜でもあった(第2段落)

  1. 山田先生は、優秀な先生なだけでなく、_____でもあった。
  2. 富士山は、静岡県の名所でもあり、______でもある。

<回答例>

  1. 山田先生は、優秀な先生なだけでなく、素晴らしい経営者でもあった。
  2. 富士山は静岡県の名所でもあり、有名なハイキングスポットでもある。

内容理解

うどんが一般に広まるようになるまでの変遷を、並び替えで理解する活動。

並び替えに使用している文章は、言い換えをして本文と全く同じにならないようにしているので、言葉が難しい場合は調整しながら導入してください。

教材が作れる「Liveworksheets」使い方スライドPDFを購入する

第3〜5段落

単語の確認

事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。

意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。

『めしあがれ』第8章(第3〜5段落)の宿題プリントをダウンロードする(準備中)

本文を読む

まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。

その後ペアになり、もう一度第一段落を読みます。

次に絵やサイトを見せながら、言葉や内容をスライド(下記参照)で確認します。

■地域別のうどんについて知る

日本地図をクリックして教科書に載っているうどんを探し、その特徴についての文章を読む。

  • 秋田県の「稲庭うどん」
  • 長野県の「おしぼりうどん」
  • 長崎県の「五島うどん」
  • 三重県の「伊勢うどん」

教材が作れる「genially」使い方スライドPDFを購入する

■高松空港にあるうどん出汁の蛇口

ウェブサイトの写真を見て雰囲気を掴む。

うどん出汁の蛇口

文型(例文・練習)

〜ほど(第5段落)

フォーマルな言い方に変えましょう。

  1. 3回ぐらい試したんだけど、まだ動かないみたい。
  2. かれこれ5時間ぐらい待ってるけど、一向に来ない。
  3. 彼女は私の妹ぐらいの年齢だって聞いてびっくりした。

【回答例】

  1. 3回ほど試しましたが、まだ動かないようです。
  2. かれこれ5時間ほど待っていますが、一向に来ません。
  3. 彼女は私の妹ほどの年齢だと聞いて、びっくりしました。

アウトプットしてみよう

日本各地のいろいろな麺類をいくつか見て、説明を読む。

日本地図で見る麺分布

以下の条件に当てはまると思うものを1つ2つ選び、どうしてそう思うかを発表する。

  1. あなたの友達のAさんが日本に来ます。彼はうどんうどんを食べたことがありません。食べてみたいそうですが、冷たい麺が得意ではありません。どのうどんをおすすめしたいですか。
  2. 友達のBさんは、初めて日本に来ます。そばは以前食べたことがあるので、変わったお蕎麦が食べてみたいそうです。どのお蕎麦をおすすめしますか。
  3. 友達のCさんは、ラーメンが食べたいそうですが、こってりした味はあまり得意ではなく、あっさりしたものが好みだそうです。おすすめできるラーメンがありますか。

第6〜8段落

単語の確認

事前に言葉の意味をチェックしてくる宿題を出しておきます。

意味は媒介語を書かせることを想定していますので、学習者の母語やレベルに応じて編集して使ってください。

『めしあがれ』第8章(第6〜8段落)の宿題プリントをダウンロードする(準備中)

本文を読む

まずはクラス全体で本文を順番に一文ずつ読みます。

その後ペアになり、もう一度第1段落を読みます。

次に絵を見せながら、宿題で出てきた言葉をいくつかスライド(下記参照)で確認します。

■そばがきって、何?

そばの種類は色々あるが、その他「そばがき」「そば寿司」「そばいなり」なども簡単に紹介する。「蕎麦湯」も余裕があれば。

■そばには、どんな薬味を使う?

それぞれの名前を簡単に確認します。(左上から)

  • 海苔
  • いりごま・すりごま
  • わさび
  • ホワイトペッパー・七味
  • ねぎ・生姜
  • 大根おろし

文型(例文・練習)

〜のもとになる(第5段落)

例文を読んで確認する。

  1. 多羅葉(たらよう)というのは、ハガキのもとになった葉っぱのことです。
  2. ひらがなの元となったのは、楷書または草書で書かれた万葉仮名だと言われています。

内容理解

■いろいろなそばの種類

こちらの記事に一覧でまとまっているので、それを読みながら教科書に出てきた蕎麦と一緒に確認する。

そばの完全ガイド!食べ方、種類、値段、オススメのお店等まとめ

アウトプットしてみよう

『めしあがれ』のウェブサイトに行くと、「自分の国の麺類には、どんなものがあるか」をPadletに書き込めるようになっています。

私の国の麺類 (Noodles/Pasta in my country)

実際に学習者に書き込んでもらうといいのではないでしょうか。

まとめ

もう一度本文を読む

本文を段落に分けずに、もう一度最初から最後まで通しで読み返します。

読み返す時には

  • つぶやき読みをする
  • 黙読をする

などの方法で行うことができます。

内容確認

  1. うどんの作り方を簡単に説明してください。
  2. 「コシ」というのは、何を表しますか。
  3. そばとイネの育つ環境を比べた時、そばの長所はなんですか。
  4. 蕎麦粉料理の始まりはなんでしたか。

<回答例>

  1. 小麦の粒を挽いた粉に水と塩を加え、こねてから、長く伸ばしたり切ったりして作ります。
  2. うどんな歯応えを表します。「コシがある」というのは、歯応えがしっかりしているということです。
  3. 土地が肥沃でなくてもいい、また日照りや冷害にも強いため栽培がしやすい点です。
  4. そばがきです。

自由会話

  1. 石臼のような、粉を挽く道具を見たことがありますか。どんなものでしたか。
  2. 色々あるうどんの中で、自分が食べてみたいものはなんですか。
  3. そばはどうですか。どの蕎麦が食べてみたいですか。どうしてですか。

『めしあがれ』の本冊にも「内容質問」「発展問題」として質問が色々準備されていますので、そちらも参考にしてみてください。

レシピを見る・読む

第8章のレシピは「手打ちうどん」です。

それから公式サイトにある動画を見たり、本書のレシピを読んで和食の作り方を学ぶことができます。

動画の使い方としては、

  • ナレーションをアフレコさせる
  • 大体の手順を後で日本語で説明できるようにメモをとらせる
  • 途中の工程で独特なものがあれば、何のためにするのかを考えさせる

などがあります。

第8章だと、先生の方から次のような質問を促して考えてもらうこともできそうです。

  • 生地を袋に入れて置いておくことを「寝かせる」と言います。知っていましたか。
  • 生地を寝かせるのは、何のためでしょうか。
  • 麺を切っているときにつける粉の名前を知っていますか。「打ち粉」と言います。

『めしあがれ』のその他の章もご覧になりたい方は、下記リンクからどうぞ。